バス運転士の適性検査とは?クレペリンは必要か現役が解説
「バス 運転士 適性検査」で検索して、「クレペリンみたいな検査で落とされるのでは」と不安になっていませんか。
先に結論です。クレペリンのような採用試験を心配する必要は、ほぼありません。
私は現役の高速バス運転士です。私の場合、採用選考は面接のみでした。そして入社後に受けたのが、NASVAの「適性診断」です。これは合否を出す試験ではありません。
この記事では、実際に適性診断を受けた私が、バス運転士の適性検査の実像をお話しします。読み終わる頃には、不安がかなり軽くなっているはずです。
結論:バスの採用で「クレペリン」を私は聞いたことがありません

「クレペリン検査」(内田クレペリン検査)は、鉄道会社の採用で有名な検査です。
でも私は、バスの採用でクレペリンを受けたという話を聞いたことがありません。私自身も受けていませんし、周りで話題に出たこともありません(あくまで私の経験の範囲です)。
「バス 適性検査」で不安になっている方の多くは、この鉄道のイメージに引きずられていると感じます。
- 鉄道:採用選考の段階で適性検査を課すイメージが強い
- バス:選考は面接が中心。適性診断は入社後が一般的(私の周りでは)
もちろん、選考内容は会社によって違います。筆記や適性検査を課す会社が絶対にないとは言い切れません。ただ、「クレペリンで落とされるのでは」と身構える必要は、ほぼないというのが現役の実感です。
バス運転士の選考は面接が中心です【私の場合は面接のみ】
私の場合、採用選考は面接のみでした。筆記試験も適性検査もありませんでした。
ただし、転職してきた同僚からは「実技試験があるバス会社もある」と聞いたことがあります。選考内容は会社によります。
- 面接:選考の中心はここです
- 実技試験:ある会社もあります(転職してきた同僚談)
- 筆記・適性検査:私の場合はありませんでした
面接で何を聞かれるか、どう準備すればいいかは、バス運転士の面接対策の記事で詳しく解説しています。未経験からの転職を考えている方は、未経験からバス運転士になる方法も合わせてどうぞ。
入社後に受けるNASVAの「適性診断」とは?合否は出ません
「じゃあ適性検査は一切ないの?」というと、そうではありません。入社後に受けるものがあります。
それがNASVA(独立行政法人自動車事故対策機構)の「適性診断」です。バス・タクシー・トラックなど運送事業者の運転者を対象にした、法令に基づく制度で、年間約46万人が受診しています(2026年7月時点・NASVA公式サイトより)。
私が受けたのは「初任診断」です。タイミングは入社後、乗務を始める前でした。新たに運転者として採用される方が対象で、旅客事業では運転者として選任する前に受診するもの、と公式で説明されています。
実際に受けた内容は、次の3つでした。
- 「シミュレーター運転」:パソコンにつないだシミュレーターで運転します
- 「運転適性に関する質問」:性格検査のようなものです
- 「反応速度テスト」:機械を使って反応の速さを測ります
ポイントは、対人ではなく対機械という点です。面接のように評価者と向き合う場面がないので、私はリラックスして取り組めました。
そして大事なのはここです。適性診断は、運転の長所・短所=「運転のクセ」を測定して、クセに応じたアドバイスをもらうためのものです。「向いている/向いていない」を判定するものではないと、NASVA自身が説明しています。実際、私も診断結果を理由に乗務を制限されたことはありませんし、結果が悪くて乗務させてもらえなかったという話も聞いたことがありません。初任診断では、カウンセラーが結果をもとに指導・助言をしてくれます。
主な診断の種類と目安は次のとおりです(2026年7月時点。手数料・所要時間は改定されることがあるので、最新はNASVA公式サイトでご確認ください)。
- 初任診断:新たに採用される運転者向け。所要約1時間40分・手数料4,800円(税込)
- 一般診断:普通免許以上なら誰でも受診できます。所要約1時間20分・手数料2,400円。公式は少なくとも2年以内に1度の受診を推奨しています。運転態度・認知/処理機能・視覚機能を心理と生理の両面から測定します
- このほか、カウンセリング付き定期診断、高齢の運転者向けの適齢診断、事故を起こした方向けの特定診断I・IIがあります
※この記事には広告を含みます。適性検査を理由に応募をためらう必要はありません。
応募前に構えるべきは「健康診断」と「深視力」です
ここまで読んで分かるとおり、適性診断は入社後に受けるものです。私の場合も入社後でしたし、NASVAの適性診断について言えば、事前の対策は要りませんでした。
応募前の段階で気にすべき関門は、適性検査ではなく別にあります。
- 「健康診断」:採用の前提になる関門です
- 「深視力検査」:大型二種免許で求められる検査です
「クレペリン対策の問題集を買う」よりも、「深視力の対策」のほうがずっと役に立ちます。深視力については深視力検査の記事に詳しくまとめているので、不安な方はそちらをどうぞ。
定期診断は「慣れ」への武器になります【現役の実感】
適性診断は、入社時に1回受けて終わりではありません。
私の職場では、3〜4年ごとに1回のペースで定期的に受けます。これはあくまで私の職場の運用で、周期は会社によって違うと思います(先ほどのNASVA公式が推奨する受診周期とは別に、会社ごとの運用で決まるものです)。
歳を重ねると、運転の傾向は変わっていくものです。そして運転士にとっていちばん怖いのは「慣れ」だと私は思っています。
- 慣れると、自分のクセに自分では気づけなくなります
- 診断は、その見えなくなったクセを客観データで映してくれます
- 弱点を早期に見つけられれば、無事故を続けられます
「落とすための試験」ではなく、「無事故を続けるための鏡」。これが定期診断の本当の価値だと私は思っています。
これから受ける方へ、現役からのアドバイスは1つだけです。相手は機械なので、緊張は要りません。リラックスして、いつもの自分で自然に答えたり運転したりしてください。それが正確な結果=あなたの武器になります。変に「良く見せよう」とする必要はありません。
そもそも自分がバス運転士に向いているのか気になる方は、向いている人・向いていない人の記事も参考にしてみてください。
まとめ
最後に、この記事の要点をまとめます。
- バスの採用でクレペリンを受けたという話を、私は聞いたことがありません(クレペリンは鉄道採用のイメージです)
- 選考は面接が中心です。私の場合は面接のみでした(実技がある会社もあり、会社によります)
- 入社後に受けるのはNASVAの適性診断。合否を判定する試験ではないと公式が説明しています
- 内容はシミュレーター運転・性格検査のような質問・反応速度テスト。対機械なのでリラックスできます
- 応募前に気にすべきは健康診断と深視力です
- 定期診断は「慣れ」への武器。弱点の早期発見が無事故につながります
適性検査は、あなたをふるい落とすための壁ではありません。無事故を続けるための味方です。リラックスして、いつもの自分で受けてきてください。
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